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  • 河井 直也

賃借人退去交渉

更新日:3月11日





日本では賃貸住宅を借りている「賃借人」の権利が法律で強く守られています。




何らかの理由により大家さんが店子(タナコ=賃借人)さんに対し退去を申し入れても


店子さんが希望しない場合には、退去を強制する事ができません。


正当な理由がある場合には6ヶ月以上前に申し入れをする事で


退去を「求める」ことはできますが、この場合も強制はできません。




つまり、大家さん側が店子さんの退去を望んだ場合には


退去の可否、時期、全て店子さんの考え次第で決まる訳です。




そこで重要になるのが、店子さんとの交渉。




大家さんからの依頼だからとは言え、


闇雲に退去を推し進めてしまうと


多くの場合は交渉がこじれてしまいます。




弊社では土地・不動産活用のコンサルティングに伴う


大家さんの資産最適化や収益率向上のため、


このような店子さんに対する立ち退き交渉の仕事をたびたび頂き


お陰様で全ての方に無事に転居を済ませて頂いておりますが


店子さんとの退去の交渉において弊社が重視する点は3つ、


①気持ち ②時間 ③お金 です。




①気持ち


まず何より、店子さんのお気持ちを大切にすること。




住まいは生活の基盤です。


大家さんという、いわば他人の意向によって


住み慣れた場所から離れさせられるのは、


誰にだって気持ちの良いものではありません。


ですから先ずはしっかりと店子さんのお話を伺い、


お気持ちに寄り添う事が最も大切になります。




②時間


インターネットなどで検索をすると


「正当な理由があれば6ヶ月以上前に通告すれば良い」


と書かれていることが多いのですが


法的な「良い」と店子さんが「良い」のは全く別です。


店子さんによっては仕事がお忙しくて時間が取れないとか


お子さんの保育園や学区のご都合だとか、様々な理由によって


6ヶ月では転居が出来ないという事が多くあります。




③お金


「幾ら貰えれば今のご自宅から転居しても良いと思えますか?」


私は退去交渉をご依頼いただいた大家様にまずこの質問をします。




殆どの方があまり良い顔をされませんが


まさにその顔をしたくなるお気持ちにさせる行為を


これから始めるという事をご理解頂くために、


あえてこの質問をするようにしています。




転居をするとなると引っ越しや新居の契約など、


様々な実費が掛かることに加え


店子さんに本来不要な時間や手間をお願いする訳ですし


何より、住み慣れた家から転居して頂くのですから


それなりの経済的保証が必要になります。




では店子さんに退去して頂くのには


実際に幾ら位必要なのか。




掛かる費用は場合によって様々であり、


一概にはお伝えしづらい部分ではありますが、


私の経験から相場を申し上げるとすれば


退去をお願いする店子さんにお支払いいただいている月額賃料の


2年分程度といったところでしょうか。



内訳はおおまかに以下の通りです。

1.協力金

2.新居の契約にかかるすべての費用

3.梱包・解包含む引っ越しにかかるすべての費用

4.弊社への報酬


2と3は実費ですから負担は当然として問題は1の協力金です。




弊社では速やかな退去をお願いするために、


店子さんへお支払いする協力金には


インセンティブをお付けするようにお勧めしています。


例えば、「賃料12ヶ月分相当額から、


申し入れから退去までに掛かった期間の賃料相当分を差し引いた額」という感じで


早く退去を済ませる程、店子さんにお支払いする協力金が増える形です。




これらを合計すると賃料の2年分相当の額になる事が多いため


状況によって大きく変化する可能性がある事を前置きしつつ


大家さまにお伝えしております。




冒頭に申し上げた通り、


賃借人の権利は強く守られているので、


一口に賃借人の退去といっても簡単な事ではなく


大家さん側も大きな覚悟を持って臨んで頂けなければならないのです。




上の写真は弊社が以前に退去交渉をお手伝いした、とある借家のもので


この交渉も様々な理由で大変時間がかかったのですが


そういった実例についても


機会があれば記事にしてお伝えしたいと思います。



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